ごあいさつ


共同主催者 山田邦子

お笑いタレント、女優、司会者、小説家

 

 

私たちがこのプロジェクトに参加した理由は、声をあげられない、がん仲間を守るためです。

 

がんになって初めて、分かったことがあります。それは、自分がいままで、いかに仲間に助けられてきたか、ということです。人は一人では生きられない、ということ。そして人との絆や支え合いがどんなに大事か、ということ。40代半ばにして、人生で初めて、本当に身に染みました。

 

そこから、がんで悩んでいる仲間を励ましたい、という思いで「スター混声合唱団」を作って地方を回ったり、NPO法人キャンサーリボンズの活動を通じて、がん仲間の不安の声を日々、聞いたりしてきました。

 

そして気が付けば、がんとつきあって、10年がたっていました。そんな10年の間にも、一緒にがんと戦ってきた仲間を泣きながら見送ったことも何度もありました。

 

がんとの戦いは、これからも一生続きます。それまで当たり前だった生活が一変して、できないことがとっても多くなる。生活で気をつけなきゃいけないこともすごく増えるし、もちろん医療費の負担もあります。

 

そんな私たちがん仲間が、何気ない日常の生活で、「タバコの煙」をどれだけ怖いと思っているか、知ってほしいのです。

 

受動喫煙、つまり自分は吸わなくても、人のタバコの煙を吸うことで、がんになるリスクというのは増えてしまうんです。それは、私がかかえている乳がんだけでなくて、肺がんもそうですし、がん以外にも、虚血性心疾患(きょけつせい しんしっかん)、脳卒中、乳幼児突然死症候群(にゅうようじ とつぜんし しょうこうぐん)などの原因になります。

 

でも、原因がタバコの煙なら、それは人の力で「防ぐことができる」のです。

だから、がんセンターが出している、がん予防法のパンフレットにも「煙を避けなさい」とはっきり書いてあるのです。

 

昨年、厚生労働省が、「受動喫煙が原因の病気で年間1万5000人が亡くなっている」という発表をしました。この人たちの命は、本当は救えたかもしれない命なのです。

今日、ここにあつまった仲間が一人一人声をあげて、輪が広がっていく中で、守れる命をまもりたいなと、そう思っています。

 

タバコの煙は、怖い存在なのです。だからこそ、世界では、50カ国以上で「みんなが集まる場所」が屋内全面禁煙になっています。それは病院とか、学校とか、会社・レストランもそうですし、公共の乗り物などもそうです。これらはもちろん禁煙ですが、バーですら、禁煙にしている国もたくさんあるそうです。でも、日本ではまだ、「みんなが集まる場所」でタバコを吸える場所が多いのです。

 

煙草を吸う人にとっての何気ない日常に、私たちは再発の、死の恐怖を感じています。打ち合わせの喫茶店、スタジオの廊下、打ち上げのレストラン。隣のテーブルから、煙が流れてくると・・・本当に怖いのです。こんな思いは、私以外の人にはしてもらいたくないと思っています。

 

皆さまの中には、タバコを吸われる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん法律で禁止されたものではないですし、合法な嗜好品ですから、吸ってもいいのです。

でも、今の日本では、煙を吸いたくない人が、うっかり吸ってしまう、嫌だと言えないまま、煙に晒される(さらされる)、煙を吸いたくない人が、煙から守られないまま我慢することが多いのです。

 

いつものお店でご飯を食べて一服するとき、もし隣にがんを抱えた友達がいたら、タバコを吸うことをやめるのではないでしょうか。でもルールでダメだと言われてない場所で、そういった事情を知らなければ、吸ってしまうと思います。隣のテーブルにいる人は、がんを克服して、再発の不安と戦っている最中でも、他の人はそのことを知るよしもありません。今、仲間の体験を踏まえてこのお話をしているのですが、こういうことは、吸う人も、吸わない人も、どっちらにとっても悲劇なのではないかなと、私は思うのです。

 

最後に、これだけはみなさまに知っていただきたい。

日本人の2人にひとりががんになって、3人にひとりはがんで亡くなる時代、と言われています。自分ががんだと告白できない人は、たくさんいるのです。がんだとわかると、仕事をくびになるかもしれないから。仕事を失うと、治療費が払えない。そうすると命をつなげない。だから精一杯、自分が癌であることを分からないように、知られないように仕事をしている、生活をしている仲間は多いのです。

 

誰にも言えないまま、日常のなかで、ひそかに煙におびえて生活をしているのです。

 

この10年を振り返ると、がん仲間を応援している中、むしろ私の方が元気をもらっていたように思います。だからこそ、わたしたちは今、みんなの力になりたいのです。

 

誰もが日常で健康を、命を脅かされることがない世界を実現するため、いま、私たちは「NO MORE!受動喫煙」プロジェクトを立ち上げます。

 

 

山田邦子オフィシャルブログ: ameblo.jp/yamadakuniko/


共同主催者 一般社団法人 全国がん患者団体連合会(36団体)

 

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